後世に伝え残したい記憶〜大相撲、豊山広光

豊山広光は、最高位が小結であったが対輪島戦における対戦成績は8勝13敗(うち金星4個)と健闘している。


輪島からみれば、最大の苦手の相手であった。


豊山は上位力士にはなかなか通じず、対北の湖戦は十両時代に2回勝っただけで幕内での対戦は21連敗となっている。


貴ノ花には初顔合わせから、攻め込みながらあと一歩というところで逆転され続け、すっかり相性が悪くなってしまい、絶好調だった昭和49年夏場所に勝っただけで、それ以外は勝利に結びつかなかった。


軽量ながら足腰のしっかりした貴ノ花に対し、豊山は肩に力が入り過ぎて、攻めてはいるが詰めの段階で攻めきることができなかった。


大関になったとったりが得意技の旭国にも、とったりなどで負けることが多く、豊山は対戦成績も悪く、苦手力士の一人だった。


旭国からすれば、毎日が豊山戦であったなら、優勝も経験できたのではないだろうか。


逆に関脇にまで昇進した富士桜は、豊山にとって最も相性の良い相手であった。