後世に伝え残したい記憶〜大相撲、大関・豊山勝男
現在ではさほど珍しくもないが、当時異色の学生相撲出身。
中卒出身者が大多数の中にあって、学生横綱の金看板をひっさげ角界入り。
破格の幕下十枚目格付けだしという位置でのデビューとなった。
期待は大きく、長身で懐が深く強烈な上突っ張りと四つになってからの寄り、上手投げで将来の大物として、評価が高くまた、評価に違わぬスピード出世だった。
当時の幕下上位は海千山千、言ってみれば一筋縄ではいかない、という表現もできるほど超難関の位置で、この地位にいきなり張り出され突破するのは確かに大物と言える。
十両は僅か2場所で突破する中2場所目に全勝優勝という抜群の成績を挙げ、初土俵から所用5場所で入幕する。
実力伯仲の十両での全勝優勝は、将来の出世の夢を感じさせるとともに、大いに評価できるものである。
新入幕で12勝3敗の敢闘賞。
大器は飛躍を続けた。